黄斑上膜とは
眼底の網膜の中心部を黄斑と呼び、ものを見る真ん中にあたります。黄斑上膜は、黄斑の網膜に薄い膜が癒着して収縮することによって視力に影響を及ぼす病気です。
原因は、眼の中に硝子体というコラーゲンのゼリーがあり、これが歳とともに、しぼんでいき、ある時期になると網膜から外れてしまいます。外れるときに、人によって硝子体が薄皮のように網膜上に残ることがあります。この薄皮が網膜表面上で縮んできて、最も視力が鋭敏な部分にできるため、大きな影響が現れます。自覚症状として視力低下、ゆがみ、かすみなどがありますが放置すると徐々に進行してしまいます。網膜の障害が強くなると回復が困難になります。完全な皺が形成されてしまうと、視力は0.1前後になってしまいます。
黄斑上膜は手術によって、視力を取り戻せるようになっています。
手術の方法
後部の硝子体を切除し、黄斑上膜を網膜からはがします。追加で網膜の最も内側(硝子体に近い側)にあたる内境界膜という薄い膜を剥がすこともあります。。最後に網膜のしわ伸ばしとして眼球内部に空気を注入して終わることがあります。手術の合併症で一番多いのは白内障です。60歳以上の患者さんなら1年以内に100パーセント近く起こります。このため多くの場合、黄斑円孔の手術と同時に白内障の手術もしてしまいます。
術後は入浴可能ですが術後4日間は洗顔や洗髪は控えてください。術後眼をこすらないように気を付けてください。消炎剤と抗生剤の点眼を4~8週間程度使用します。